コロナ被害で廃業を逃れた奇跡のスナック

2020/4/20

2月に入ってからお客さんがどんどん少なくなって、とうとう2月末には1日に1組になったそうです。
3月に入り、お客さんは0人、4月になってお客さんは0人。お店の多くの若い女の子たちに給料が払えず、できるところまでと思って、ポケットマネーで生活費や家賃ぐらいはと、渡していたそうです。

「もうここまでか!」河川敷に腰かけて、くやしいやら、さみしいやら、涙があふれて止まらなかったそうです。働いている女の子たちのために、コンビニ、スーパー、工場の仕事を探してきて、紹介するものの、「今のうちに大学の勉強を自宅でするので大丈夫! 店長あまり気にしないで!」だれもパートに行こうとしません。

そこで女の子たちから提案がありました。

「ねーねー店長! ZOOMでオンラインスナックやってみない?」

店長は意味が分からず、ただただ女の子達の説明を聞きました。
よく理解できませんでしたが、女の子たちが一生懸命話をするもんですから、どうせこのままいってもあと数日で廃業を決意しなければなりません。
「よし、やってみるか!」

普段から女の子たちは、お客さんと、ラインの動画で会話、メッセンジャーの動画で会話を普段からやっていたそうで、すぐにラインで一斉にチャット送信。

「ねーねー、Kさん、お店誰も来なくて困ってます。ZOOMでオンラインスナックやるんですけど、助けると思って1回だけ付き合ってくれません? 1時間1万円ですが助けて!」

ZOOMのアドレスをクリックするだけで、誰でも簡単に参加できたので、またたく間に予約でいっぱいに。夜7時からスタート。夜12時まで女の子ひとりで4人のお客さん予約で精一杯に。

「飲み物は自分で用意してね!わたしは缶チューハイで付き合うから! 面白いおつまみなどあったらカメラに映して私にも教えてね!」

1時間があっという間だったようで、お客さんからは、「ずっと飲みに出れなくて誰かに話を聞いてほしいと思っていた。いろいろ愚痴を聞いてもらってありがとう!すっきりしたよ。こういうのをお前たちがやってくれて、本当に良かった。どうもありがとう!」

噂がうわさを呼んで、1か月先まで予約でいっぱいに。

女の子たちもいろいろ試行錯誤して、
「美白効果演出!色白ライトを買ってきたよ!」
「このスマホスタンド800円だよ!」
「マイクは○○○でゲーム用が売ってたよ!」

ZOOMを使ってミーティングが始まりました。

「決済が面倒なので、ZOOMのなかにあるウエビナーをつかって、クレジットカード決済にして、予約と決済ができるようにしようよ!ねー店長!」

「そんなことができるのか?」

「うん!わたしがやっとく~」

若い子たちが20人も集まれば、考えられないような知恵と行動力。しかも費用はほとんどかからなかった。私を気遣っての方法をいろいろ考えてくれたのでしょう。

これで家賃が払える
女の子たちにも給料が払える
お店も続けられる!

気が付けば、感謝の気持ちがいっぱいになり、涙が止まらなかったそうです。

今では、予約が受け付けられないくらいに評判になり、
感謝の気持ちを込めて、常連さんだけのオンラインスナックにしているそうです。

女の子たちは自宅でZOOMをやり、お客さんは、女の子の部屋が見れるという事もあり、余計に親近感がわき、持ちつ持たれつの助け合いスナックが誕生していました。

「学費やアパート代が払えなく、心配している女の子たちも多かったでしょう。女の子たちは、あきらめず、自分たちの力で、お店を守ってくれました。地方からきている女の子も多く、この子たちが大学を卒業して、無事就職するまで、何があっても、もう心が折れることはありません。」

そう店長はおっしゃっていました。

コロナ被害で廃業を逃れた奇跡のスナック

これを見て、多くの方が、このコロナ被害を乗り越え、いつもの平和な日本になることを願っています。
「この方法はすぐに始められて、自分も助かったので、多くの方にお知らせして自分と同じように悔し涙から、うれし涙に変わってほしい。しかし、みんな大変な被害の中なので、お店の名前や場所は公開しないで!」とのことでしたのでご了承ください。